ゲーム概要
「DREDGE」は船に乗って漁と探索を行うアドベンチャーゲーム。クトゥルフ的な「正体不明の怪物」や不気味な雰囲気も特徴の一つとなっている。
ちなみに、タイトルの「Dredge」は英語で「浚渫(水底の土砂を取り去る工事)」「探し出す」という意味。
継続的にDLCも出ており、2024年8月には第三弾が発売された。
評価
価格
本編の魚をコンプリートして、プレイ時間は約30時間。
ゲームシステム自体は面白いが、DLC抜きでのコンテンツのボリュームは多くない。それを踏まえた上で、定価は概ね妥当だと思う。
DLCはそれぞれ個別に価格設定がされており、特段お得感はない。あくまで本編を気に入った人への追加バージョンだと思って良いだろう。
ちょうど良い難易度のパズル
本作にはいくつかパズルがあるが、どれも難しすぎず簡単すぎず丁度良かった。
パズルは本筋とは関係なく、クリアして得られるものも実績やコレクションの類なので、仮にできないからと言って詰まることもない。
漁場に関しての仕様が不明瞭
それぞれの魚がどのような場所に発生するかは決まっており、図鑑に「沿岸」「浅瀬」等と表記されている。
しかし、実際には特定のポイントにしか棲息していなかったり、そもそもそれらの区別がユーザー側からはわかりにくかったりする。
これもストーリー自体には関係ないが、もし実績解除を狙うなら攻略情報を調べた方が良いだろう。
UI設計が不親切
UIは基本的にまとまりが良いが、2点だけ不満がある。
一つ目はインゲームのHUDに関して。本作はマップ上にピンを打つことができるが、そのピンはマップでしか確認できない。
島では入江などが細かく入り組んでいおり、海は逆に何もないため方角を見失いやすいのだ。その上霧や雨で視界が悪いこともあり、目的地に向かうためにマップを頻繁に開くことがあった。
また、初期から持っているアイテム「望遠鏡」を使うと周囲の漁場に何の魚がいるかわかるのだが、その際に「ピンを使って漁場をマークする」ことができず不便に感じた。
二つ目は釣り画面。釣りはタイミングよくキーを押すミニゲームになっており、そのためのUIは画面左側に表示される。採れた魚は画面右側の「船倉」に運ばれ、空いたインベントリに収納することで持ち帰ることができる。
基本的に一つの漁場からは複数の魚が採れるため、この2つの表示は交互に見ることになる。つまり、視点が画面の両端を行き来するせいで無駄に疲れる(NPC等と物を受け渡すときも同じだが、あまり繰り返すことはないためそれほど気にならない)。優先度の低い船を左側に寄せ、釣りを中央に表示するべきだろう。
また、釣ったことのある魚でもシルエットでしか表示されず、形と名前を覚える必要があるのも不親切だと感じた。
操作性がやや悪い
操作方法はキーボード&マウス、コントローラーの両方に対応しているが、どちらも若干操作し辛いと感じた。特にインベントリでは空マスへの自動補正が弱いようで、ある程度自分で整理する必要がある。
キーボードでは使うキーの配置がまとまっておらず、初期状態のままでは使いづらい。キーバインドを上手く設定できれば良いが、始めた直後ではいまいちどの操作に対応しているのかが分かりづらい。さらに、いくつかの操作はキーを押しても反応していないようだ(使う必要もないものだが)。
評価まとめ
様々なゲーム要素が複合されているが、その各々がバランスよくまとまっており、基本的には良質なゲームと言える。
ゲーム内容が全て海上で完結しているため景色に飽きそうになるが、ボリュームが大きすぎないことでその点をカバーできている。しかし、やり込むほど細かい部分の粗が目立つのも事実であり、個人的にもDLCまではプレイする気にならなかった。