
ゲーム概要
「Sayonara Wild Hearts」は失恋した女性が夢のような世界をハイスピードで疾走しながらハイスコアを目指すアーケードゲーム。
注意して欲しいのは、本作がSteam等で「リズム」「音ゲー」と紹介されているもののそれらの要素は非常に弱いという点である。一部タイミングを合わせてアクションを行う場面がある(後述)のみで、基本的なゲームシステムは『3Dソニック』に近い。
公式は「A POP ALBUM VIDEO GAME」と呼んでおり、一つの音楽アルバムのミュージックビデオで遊ぶゲームというのが正しいだろう。

総評
システム面で高い評価はできない。基本操作はレーンの区切りがない一般的なレーシングゲームと同じで、リズムに乗るのは困難を極めている。さらに並べてあるアイテムも一部リズムと合っていない。
コンテンツとして、音楽にマッチした映像表現や丁寧な演出は目を見張るものがあるが、量が少なく、1時間ほどでクリアできてしまう。定価が内容と見合っているかは微妙である。
本作の音楽はSpotify等で配信されているので、それを聴いて気に入ったら遊んでみても良いと思うが、先述したように音ゲーとして面白いわけではない。あくまでこの音楽の雰囲気をゲームとして楽しめる作品である。
個人的には、かなり人を選ぶゲームだと感じた。
ちなみに「Sayonara Wild Heart」はテーマ曲、「Wild Hearts Never Die」は最後のメドレーの一部として再生され、どちらも単体曲としては登場しない。
高評価要因
独特な実績

実績は全てゲーム内の「謎」を解明して、それらを達成することで解除できる。ただクリアするだけでは一つも達成できず、チャレンジ要素として一捻り入れたのはとても面白いと思った。
クィーン・ラティファによるナレーション
ストーリーの朗読やステージ名(楽曲のタイトル)等の読み上げはクィーン・ラティファという女性ラッパーが担当しており、これが中々良い味を出している。
リザルトで高らかに「Gold Rank!」と判定されれば彼女のファンでなくても気分が良くなるだろう。
低評価要因
日本語のフォントがダサい

英語などのラテン文字は世界観に合ったオリジナルフォントで表現されるが、ラテン文字以外のアジア諸国やロシア語は普通の角ゴシック体になってしまう。
このフォントを日本語に適用するのは無理があるため仕方ないが、ビジュアルデザインが売りの本作でこの画像のように画面の中央にデカデカとゴシック体が現れるのは興ざめである。
タイトルに「Sayonara」と日本語を使っておきながら日本語でプレイする想定は度外視したのか、映像は文字なしで表現していれば良かったのではないだろうか。
リズムが分かりづらい

リズムに合わせてアクションを行う場面でこの表示の仕方はありがちなものだが、本作のものはかなりタイミングが分かりづらい。これには三つの要因がある。
一つ目はUIとして、枠の縮小がタイミングを合わせるのに役立たないからである。枠がアイコンに到達するのに合わせると「可」判定になってしまい、「良」判定はその次の拍だったりする。
二つ目は、枠が登場するタイミングが一つのステージ内でも(一拍前だったり二拍前だったり)都度異なるせいで、リズムが狂ってしまうからである。
三つ目は、アクション自体のタイミングがステージ内で(二拍目だったり三拍目だったり)異なり、予測できないからである。
判定自体はかなり甘いのでミスすることはないものの、ハイスコアを狙うなら暗記する必要がある。
オプションが貧弱

まず、音楽を題材にしたゲームであるにもかかわらず音声に関する設定項目が存在しない。設計が完璧であるという自信の現れなのかもしれないが、せめてマスターボリュームの調整くらいは欲しい。
また、コントローラーのスティック感度もなく、一部のステージでは思い通りに動かすのが少し難しかった。















